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「実家へ
帰ってらっしゃい。
お父様もお母様も待ってる筈よ」
正月
元日の午後
母はそう言って
毎年、妻を送り出して来たのです。
親を思う子の気持
子を思う親の気持を
考えてのことです。
だけど
4人いるわたしの姉妹は
誰ひとり里帰りして来ません。
結婚したわたし自身の子供たちも
誰ひとり里帰りして来ません。
お陰でわたしは長いこと
母と二人だけの
三が日を過ごして来たのです。
「お母さんが
いいかっこするから
こんな寂しい正月になるんだよ」
わたしは時々
母に文句を言うのです。
すると
母が毎度言い返すのです。
「だけど
親心は誰でも同じだからね」って。
「じゃあ
お母さんの気持ちはどうなのよ。
じゃあ
僕の気持ちはどうなのよ」
わたしもまた
そう言ってしまうのです。
母は一人暮らし。
わたしたち夫婦は遠く離れて
住んでます。
だから母だって
三が日ぐらい
賑やかに過ごしたい筈なのです。
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