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「切ってくれるんなら
出来るだけゆっくり
切って頂戴」
起きて来た母の爪を
明後日は新年だからと
切っていた時のこと
母が哀願するように
言いました。
暮も押し詰まって
母は風邪を引きました。
甥たちが
餅搗きに来てくれ
わたしの長女夫婦も孫も
来てくれましたが
わたしは大事を取って
「起きていたい!」
と言う母を
と言う母を
強引に
寝かせておいたのです。
寝かせておいたのです。
だけど、母は
制止するわたしを振り切って
しばしば起きて来たのです。
「私はね
人間関係が持ちたいのよ。
ただ寝ているだけじゃあ
聖ちゃんやナコちゃんが来てくれたって
ミノンたちが来てくれたって
話も何も出来ないのよ。
浮世と全く関係ないところで
寝ているなんて
こんな
つまらない事はないの。
みんなが笑っている声だけでも
傍で聞いていたいのよ」
母はそう言ったのです。
だから、わたしも
ついほだされて
ついほだされて
「ご飯の時だけだよ!」
と、断りを入れながらも
爪切りなどして
母が浮世にいる時間を
伸ばしてしまったのです。
伸ばしてしまったのです。
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