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世の中には、わたしと違って
大らかに生きている人がいます。
わたしがお世話になっている
隣のご主人がそんな人。
5月の終り
わたしは友人Nにメールを送りました。
おっはー!
今日の富山は、まあまあ晴れ。
午後になれば、もっと
すっきり晴れてくると思う。
僕の家の前の畑に
サクランボの木があります。
赤く輝く実が山程なっていて
今が採り頃。
だけど
持ち主の隣のご主人は
一向に採りません。
だから
いろんな鳥が次から次に来て
朝から晩まで
ついばんでいます。
カラスが終わるとカケスが来て
その次に別の小鳥がやって来て
一日中
銀座並みの賑やかさ。
面白いのは、鳥たちに
序列があることです。
カケスは
食べてる所にカラスが来ると
『ジャギャッ』っと一声鳴いて
一斉に逃げ立ちます。
でも、もっと面白いのは
隣のご主人の方。
ご主人は、植えるのが好きで
苗を様々買って来て
しょっちゅう植えているのです。
手入れも好きで
朝晩畑を見回って
時には
昼日中にも見回って
肥料をやったり
水をやったりしているのです。
だけど、このご主人
何が実っても
一向に収穫しようとしないのです。
貧乏性の僕からすれば
『なんで採らないの!』
と不思議に思うばかりなのですが
その大らかさ、大人ぶり
ほんとに羨ましい限りの性格です。
先日も
「サクランボに鳥が来て
食べちゃってますよ」
と、電話をかけて折角教えたのに
丸1日経ってからやっと見に来て
「何とか、食べられない工夫を
してみます」
と言ったのはいいのですが
数日後にやっとまた来て
黄色い紙を
2、3枚ぶら下げただけ。
隣のご主人のサクランボの木
ネットを張るわけでも
テグスを張るわけでもなく
鳥たちのついばむに任せ
一向に収穫しようとしなかったのです。
くどいようですが
このご主人
収穫については
何についても同じです。
イチジクがなっても
鬼柚子がなっても
トマトがなっても
キュウリがなっても
収穫するのを見たことが
ないのです。
鳥に食われちゃあ損とか
腐らせちゃあもったいないとか
そういうせこせこしたことは
一切考えないようなのです。
そんなわけで、僕も妻も
最初の内の何日かは
熟したサクランボが気になって
頼まれてもいないのだけれど
鳥どもを大声で
追い払ってやっていたのですが
持ち主が採らないんだから
仕方が無いと最後には
妻とふたり
追うのを止めようと決めたのです。
だけど
止めようと決めたのだけれど
やっぱり
美味そうな赤い実が
ついばまれて行くのを見ると
ついつい大声を出し
鳥たちを追ってしまった
貧乏性の僕たちでした。