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「お母さん!
ほっぺた、艶々じゃない!」
 
吸入を済ませた母を
わたしと3女が褒めると
 
「まさかあ!
 
そんな見え透いたお世辞言ったって
上げる物、何にもないんだから」
 
と、母が咳き込みもせず
嬉しそうに
返しました。
 
暮にかかった風邪が治らず
薬を飲み続けていた母は
 
とうとう胃が参り
食欲まで落ちて来ました。
 
それで2週間目
投薬を止め
 
蒸気の吸入
一本に切り替えました。
 
わたしは、見守り隊の面々に
2時間おきの吸入を義務付けたのです。
 
おかげかどうか3週間目
母の食欲は戻り、咳も取れました。
 
おまけに
母のほっぺはつ~やつや。
 
 
蒸気吸入には
予期せぬおまけがありました。
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「うっかり死ねないわね!」 

と、母が言いました。
 
わたしは時々母に
このブログを読んでやります。
 
母は結構
母が主役のこのブログが好きで
 
読んでやる度
ニコニコ顔になるのです。
 
今日も今日とて
先日書いた
 
「私が生きてる事、迷惑なんじゃない?」
シリーズを読んでやると
 
母はもうニッコニコ
 
「うっかり死ねないわね!」
となったのです。
 
「こんなにずけずけ
ものを言い合って!
 
家族仲良くなけりゃあ
ただで済む話じゃないのよ。
 
私はね

太郎が
これを
本にするのが楽しみ。
 
絶対これ
みんなの参考になると思うの。
 
私はね
私達家族について
 
みんながどんなこと言うか
聞いてみたいのよ。
 
それを聞くまで
うっかり死ねないのよ。
 
太郎!
いつ出すの?
 
早く出さなきゃ
私が先に逝っちゃうじゃない!」
 
と、母は言うのです。

「人間長生きして
いいやら悪いやら! 

昨日なんて
誰とも口をきかなかったのよ。
 
独りで寝てるだけの人生なんて
寂しいったらありゃあしない!」
 
松も開けたと言うのに
風邪がまだ、すっきりしない母が
 
起きて来て
渋い顔と声で言いました。
 
「お母さん!
誰とも話していないったって
 
僕とも、お晴とも話してるじゃない」
 
「あれ位じゃあ
話した中に入らないわよ。
 
人間長生きして
いいやら悪いやら!
 
寝てばかりいると
 
そんなつまらない事ばかり
考えちゃうのよ」
 
今の母は、あくまで
マイナス思考。
 
それでわたしは、何とか
気持を引き立てようと
 
口で勝負を
しかけたのです。
 
「お母さん、何言ってんのよ!
 
102歳にもなって
長生きしていいやら悪いやらって
 
もうとっくに
長生きしちゃってるじゃない。
 
村中捜したって
お母さん位の人
 
1人いるか、2人いるかだよ。
 
おまけに
 
自立出来てる人なんて
お母さんしかいないんだから!」
 
「へ~え、そうなの?
 
それなら私
貴重な存在なんじゃない」
 
「そうさ!
お母さんは貴重な存在なんだよ!
 
だから、お母さん!
 
みんなが見習う位
明るくしていなくっちゃ!」
 
っと、そう言われて母は
やっと機嫌を治し

ちょっとだけ
笑顔を見せたのです。
「これ、美味しいわね」
 
と、風邪で何もかも不調な母が
食事を取りながら言いました。
 
「お母様!
 
食べ物が美味しく感じられるなんて
良かったじゃあありませんか!
 
きっと、風邪が
治りに向いたんですよ」
 
「どうだか!
 
風邪なんて少しも
治ってなんかいないわよ!」
 
妻がせっかく
 
気持を引き立てようと
言っているのに
 
母はあくまで頑なに
渋い顔を崩しません。
 
赤子と母には敵いません。
 
わたしたち回りの者は
 
母の風邪が回復し
ご機嫌が回復する日を
 
 
ただただじっと待つ
今日この頃です。
「もうみんな、私が生きていること
迷惑なんじゃない?」
 
と、母に言われて
一瞬怯んだわたしですが
 
そこはそれ年の功
 
すかさずショック療法に
撃って出たのです。
 
「お母さん、何言ってるの!
迷惑に決まってるじゃない。
 
折角、テレビの
面白いとこ見てるのに
 
自分じゃ行きたくない
トイレに付き合わされるんだよ。
 
いい迷惑に
決まってんじゃない!」
 
「じゃあ、私はどうすればいいのよ!
死ねって言うの?」
 
と、母が「ムッ」っとした声で
突っかかって来ました。
 
最近の母は
 
ちょっと前までとは大違い
結構ストレートに感情を表すのです。
 
「死ぬかどうかは
 
お母さんが
自分で決める事じゃない!」
 
「そんなこと言ったって
 
自分じゃ、死にたくたって
死ねないじゃない!
 
じゃ、太郎
手伝ってよ!」
 
「やだね、ぼかあ。
そんな手伝い、真っ平ご免だよ」
 
「じゃあ、どうすればいいのよ」
 
「じゃあ、どうすればたって
しょうがないじゃない。
 
頑張るしかないじゃない。
 
僕もやだけど
トイレ、行くのを手伝うからさ。
 
頑張って
 
生きるしかないんじゃないの?
お母さん。
 
みんなお母さんの生き方
目標にしてんだからね。
 
愚痴言ってるお母さんなんて
 
誰も
見たかあないんだからね!」
 
 
 
『満102歳の老婆相手に
こんな酷い言い方をして・・・』
 
と、非難ごうごうだとは思いますが
最近の母には
 
こんなショック療法が
結構いい気分転換になるのです。
 
それが証拠に
 
こんな言い合いをしている間に
母の気持も段々静まり
 
引き攣った顔にうっすら
笑顔が戻って来たのです。
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