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おはようございます。

わが故郷は
今日も上天気です。

205ac55b.jpeg
 わたしが作った枯露柿が
 物干し竿で
 
 いい色になってきました。



1つむしって食べてみると
物凄く甘いのですが
 
口の中にはまだ
渋みがちょっと残ります。
 
でも
もうちょっとで仕上がりです。
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病院で読んだ
11月19日の朝日新聞・耕論面の
 
『アンチエイジング』
と題した記事に
 
『命が伸びて不安が延びた』
というタイトルの
 
本川達雄さんのご意見が
載っていました。
 
『生物学的には、人間も
 
次世代を産む能力があるところまでが
本来の部分で
 
老後は医療や科学技術が
作り出した命です。
 
子供をつくって
 
子供が暮らしやすい社会を
作るのならいいのですが
 
現実には老後を支える膨大な
お金やエネルギーは
 
若者が負担しています。
 
お年寄りに優しい長寿社会は
裏を返せば
 
若者いじめの社会なんです。
 
親が生きながらえて
 
次世代を圧迫するのは
まずいんじゃないでしょうか。
 
生物学者としては
 
私はそうした議論が
可能だと思っています』
 
もちろん、これは
 
本川さんのご意見の中の
一部を取り出したものです。
 
だけど、生物学者としては
そうした議論が可能かも知れないけれど
 
本川さんは議論の果てに
 
どこへ
行き着こうとしているのでしょうかね?
 
ナマコの研究で知られているという
本川さんは
 
何の為にナマコの研究を
されて来たんでしょうかね!
 
ご意見を読みながらわたしは
つい
 
自分の子供が木から落ちても
それを気遣うより
 
『万有引力の法則』について延々と
語り続ける本川さんを
 
想像してしまいました。

何でも言やあ
いいってもんじゃあない!!!
 
わたしには

病に苦しみながらも
必死に生きてる103歳の

母がいるのです。
今日はおばあちゃんと
病棟の廊下を行き来して
 
散歩した後
 
廊下の端に設えられた
ソファーに座り

396ef767.jpeg 八ヶ岳を見ながらふたりで
 栗まんじゅうを食べました。
 
 細かく千切って差し出す
 僕の手が待ちどうで
 
 口を開けて待つおばあちゃんは
 
まるで親鳥に餌をねだる
ツバメの雛のよう。
 
家にいる時には
 
「ちゃんと自分で持って食べてよね!」
 
と、突き放していた僕だけれど
病院では大甘になってしまいました。
 
リハビリのことを考えれば
ここは心を鬼にして突き放し
 
自分で食べさせるのが
いいのだろうけれど
 
何故か見ていられなくて
つい手を出してしまうのです。
おばあちゃんの部屋は
僕が去年ヘルニヤで入った個室の
 
ふたつ隣の個室です。
 
だから、部屋の窓から
八ヶ岳の全貌が眺められます。

今は山頂が
うっすら雪化粧をして
 
裾野は銀杏や桜やもみじの
紅葉が真っ盛りです。

だけど
 
座っている、背の縮んでしまった
おばあちゃんには窓が高過ぎ
 
山頂のほんの一部と
青い空
 
それに、ふんわり浮かんだ雲しか
見られません。
 
284ccbcd.jpeg
 食事が終わり
 お茶を飲みながら

 八ヶ岳の山頂を見上げる
 おばあちゃんです
 
 
 
 


それでも今日は
 
おばあちゃんと
その青空や雲そして山頂を見ながら
 
昼食を食べました。
 
昼食を食べ終わるまでに
おばあちゃんは
 
何度も何度も
 
「もういい、おなか一杯」と言って
食べるのを止めるので
 
「じゃあもう
片づけてもらっていいんだね。
 
もう残り僅かだけどね」
 
と言うと、また食べ始め
 
「苦しい!
 
苦しい上にまた食べるから
余計苦しい」
 
そんな言い合いを繰り返しながら
昼食も
 
小1時間かけて
完食したのです。
 
「お母さん
ちゃんと食べられたじゃない!
 
大したもんだよ、お母さん!」
 
と僕が褒めると
 
「もう、食べるのを止めようかと
思うのだけれど
 
口が勝手に動いちゃうのよ」
 
と、おばあちゃんは
嬉しそうに答え
 
僕が差し出す柿を
また口に入れました。
 
八ヶ岳は
 
おばあちゃんが
80年前に嫁に来た時から
 
「いつかは登りたい」
と言っていた念願の山です。
 
なのに、とうとう念願を
叶えて上げられなかった。
 
と思うと
 
震える手で
箸を握るおばあちゃんを見ながら
 
僕の鼻は
ちょっとツーンとしたのです。
 
「子守唄歌ってやろうか!」
 
リハビリから
帰って来たおばあちゃんが
 
眠そうにしながらも
 
布団が重いだの
枕が傾いているだの
 
ぐずぐず言い続けて
眠らないので
 
僕はベッドの横に腰掛け
言いました。
 
「そうね
ふたつかみっつお願いね」
 
っと、おばあちゃん。
 
「じゃ、ちゃんと目を瞑ってね。
 
じゃ、歌うからね
目を瞑っててよ。
 
ねえんねん ころおりよ
おこおろりよお
 
ぼうやのお おもおりはどこいいったあ」
 
「あのねえ、低い声のとこが
よく聞こえないのよ。
 
低いとこを
もっとしっかり歌ってよ」
 
と、おばあちゃんが
目を開けて注文を付けました。
 
「ああ、そうですか!
低音部強くですね!
 
今度はちゃんと歌うからね
ちゃんと眠るんだよ、お母さん。
 
ぼうやのお おもおりは
さとおいいったあ
 
さあとのみやげに
なにいもろおたあ
 
でえんでんたいこにい しょうのふええ」
 
歌い終えて僕が
おばあちゃんを見ると
 
痩せて大きくなった目を
パッチリ開けたおばあちゃんが
 
僕の目を
食い入るように見ていました。
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