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地震と一緒に
停電しましたから
 
1番困ったのが暖房。
 
毛布も炬燵もストーブも
エアコンも
 
「電気」と名のつく物は
どれもこれも使えなかったのです。
 
だけど、それでも

1台だけあった灯油ストーブで
何とか暖は取れました。
 
夕食は
暗くなる前にとってしまい
 
「ちょっと甘やかすけれど
非常事態だからね」
 
と、母のベッドの横に布団を敷き
 
わたしと寝るのが嬉しくて
ニコニコしている母と
 
6時には
床に入ってしまいました。
 
母は寒がりの上
重い布団が駄目な人。
 
だけど
停電ではどうにもならず

「爪先が暖まらないのよ」

と、寒がる母の
身体のあちこちに
『アッタカイロ』を貼ってやり
 
「非常事態だからね」
と納得させ
 
布団や毛布をいつもの倍
掛けてやりました。
 
次に困ったのは、母のトイレ通い。
 
母は1時間おきに
起きるのですが
 
転ばれては困ると
わたしもその度起きねばならず
 
懐中電灯とろうそくの明かりを頼りに
手を引いて通ったのです。
 
母は便器に座る度

「つっめたい!
何でこんなに冷たいのよ」

と文句を言ったのですが
 
「停電だからね。
非常事態だからね!」
 
っと、わたしはそのたんび
言い訳し、我慢させたのです。

朝4時に停電復旧

母の部屋に
明かりが点った時には

「やっと解放されたか!」

と、わたしは早速、布団を
自分の部屋に敷き直したのです。

明るくさえあれば、母は
夜中でもまだ独りでトイレに行けます。
 
わたしは
付き添いから解放され
 
心置きなく
熟睡できるのです。
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わたしが母屋に入らず
外にいたことで

皆さん

お下劣な邪推なんか
しちゃあいませんよね。

『お前って

お母さん見捨てた臆病者
なんじゃないの?』なんて

わたしのこと
疑っちゃあいませんよね。

疑う人なんて皆無
もちろんいないとは思うけれど

世の中、『もしかしたら』
ってこともあるから

入らなかった理由
一応説明しときますよ。

いえね
ほんとんとここれは

言い訳なんかじゃ
ないんです。

誤解されてちゃあいけないから

ただちょっと、説明だけ
しとくんですよ。

いえね

自分で言うのも変だけど
わたしは緊急時のその時

実にきちんとした
判断してたんです。

もちろん、最初は
猪突猛進

『中へ入って、お袋
連れ出さなきゃ!!!』

って、思ったんですよ。

でもね
すぐ思い直したんです。

『こんなに揺れてたんじゃあ
入ったって無駄。

独りで歩けないお袋なんて
連れ出せやしないんだ。

完治したたって、俺は
ヘルニア持ち。

お袋なんかどうせ
担ぎ出せっこない。

俺にゃどうせ

火事場のくそ力なんか
出せやしないんだ。

そうだ!
それより何より

共倒れになってる場合じゃない。

本人棒のこの俺が

倒壊した母屋に
閉じ込められたんじゃあ

お袋はもちろん
ヘルパーさんだって

助け出せやしないんだ!』

って、そう
判断しただけなんです。

だから
わたしは

母を見捨てた臆病者なんかじゃ
無いんです。

わたしはただ

後先考えて
蛮勇振るわなかっただけ。

後々のことまで考えて
わが身を処しただけなんです。

聡明な皆さんなら

わたしの深謀遠慮
分ってくれますよね。

そうなんですよ
分る筈なんですよ。

でもね、世の中ですからね

もしかしたら
『屁理屈だ』って言う人が

そりゃあ、ひとりやふたり
いるかも知れないけれど

そんななあ、わたし
問題にしちゃあいません。

普通の感覚持ってる人なら

これって、十分
納得できる理屈なんだし

殆どの人が
分っていてくれりゃあ

わたしはそれでいいんですよ。

でもね

こうやって

人様に納得してもらえる様な
理屈の筋を通して

自分でも
納得していたんですがね

地震が何とか収まって
母の所へ行った時

わたしは何でかちょっと
後ろめたさを感じていたんですよ。

何でですかね。

大揺れに揺れたわが家でしたが
 
結局の所破損は無く
怪我人も出ず
 
棚や壁からも
物が落ちなかったので
 
ほっとしたと同時に
不思議に思ったわたしです。
 
だって、これは
神がかり的出来事
 
奇跡としか言いようの無い
ことだったのです。

これは

他人様にお知らせする様な事では
ないのですが
 
恥ずかしながら
わが母屋は築百数十年


壁の少ない傾いた建物で
耐震強度がたったの0.07。
 
この2月にしてもらった
『耐震診断』の総合評点が
 
0.07だったのです。
 
『0.5なら
震度5で倒壊する可能性が高い』

と言われているのに0.07。
 
結果を聞いて
暗澹たる気持でいたわたしです。
 
それなのに、震度5強で
『潰れなかった』とは!!!
 
これが不思議に思った理由です。

神様とご先祖様方に

ただただ
感謝
感謝申し上げるしだいです。
しばらく経って
ようやく地震が収まり
 
ちょっと後ろめたさを感じながら
母屋に入ると
 
椅子に座った母が
 
傍でおろおろしている
ヘルパーさんに
 
「まあ座りなさいよ。
慌てたってしょうがないんだから」
 
などと言っている所でした。
 
母はもう年ですから
 
ちょっと感度が鈍っていて
余裕しゃくしゃく
 
この大揺れを
 
わたし達のようには
感じていなかったみたいです。
その時、母は
ヘルパーさんに手伝ってもらい
 
母屋で
風呂に入っておりました。
 
だから、母が心配
 
わたしは慌てて
百寿舎から飛び出したのです。
 
だけど、地面がうねって
身体がふわふわ
 
まるで雲の上か
ウォーターベッドの上状態。
 
なんか変、ともかく変に
歩き難いのです。
 
母屋はと言えば、家全体で
ぎしぎし唸っている真っ最中。
 
玄関引き戸の枠組みが
 
家と一緒に菱形になったり
逆菱形になったり
 
その度、引き戸が右に寄ったり
左に寄ったりするのです。
 
そんな有様を
目の当たりにしたわたしは
 
母屋に入るのを断念
 
母の所には行かず
そのまま外にいたのです。
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