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わたしも
いい歳になりましたが
 
母にとっては
まだほんの子供
 
むかしの幼い子供の
まんまなのです。
 
これもやっぱり今回の
母の入院1年ほど前の話です。
 
 
 
「あれを食べろ、これを食べろ
これを飲め、あれを飲め」
 
母と2人
炬燵にあたっていると
 
母がひっきりなしに勧めます。
 
だけどその度、わたしは
 
「いらないよ
いらないってば!
 
ぼかあ
糖尿になるのが嫌なんだよ!」
 
と、だんだん
言葉をエスカレートさせながら
 
断固断ります。
 
だけど母は、ちょっと経つと
懲りもせずまた
 
「あれを食べろ、これを食べろ」
を始めます。
 
だから、わたしも言うのです。
 
「お母さん!
いい加減にしてよ。
 
いいから
僕の事、ほっといてよ!」って。
 
すると母が逆恨み
可愛さ余って憎さ100倍。
 
「もう、太郎となんか
口もききたくない!」
 
と、怒り始めるのです。
 
「だって、お母さん
お父さんは糖尿だったんだよ。
 
僕が一体いくつだと思ってるの?
僕はもう68
 
お父さんは
僕の歳で死んだんだよ!
 
だからぼかあ
摂生してんだよ。
 
お母さんだって
 
僕が先に死んだら
困るでしょうが!」
 
「そりゃあ、死んだら困るわよ。
 
だけど、少しぐらい
食べたっていいでしょうが。
 
こんなに言っても食べないんなら
食べなくたっていいわよ。
 
私が食べて、糖尿になるから」
 
と、ふくれっ面の母がまた
飴玉を舐め始めました。
 
何をどんなに食べても
 
糖尿の気の「と」の字も出ない
母に似ず
 
わたしは
父の血を引いているのです。

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