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草取りをしていた頃の母は
1本1本丁寧に
それこそ舐めるように
根こそぎ抜いておりました。
「1本でも残っていると
種がこぼれるからね」
っと、いつもそう言いながら
何日もかかって
草取りをしていたのです。
でも・・・
だから、時間が掛かった。
抜いて行く後ろに
もう、次の草が生えて来る程
時間がかかったのです。
それを見ていて
わたしはよく言ったものです。
「お母さん!
そんなに丁寧に
抜くこたあ無いんだよ。
ざっとでいいんだよ
ざっとで!」
って。
「それにさ
種なんか
出来たっていいんだよ。
大賀ハス
知ってんでしょうが大賀ハス!
大賀ハスなんて
2000年も前のが
芽を出したんだよ。
草の種なんて、何千年でも
生きているんだからね。
今年のだけ
取ったって無駄さ。
昔のが
必ず芽を出すんだよ。
それが証拠に
お母さんが見る度取っても
またすぐ
生えてくるでしょうが!」
って。
だけど母は強情一途
私の諫言など屁とも思わず
思い込んだ道を進みます。
「そんなこと言われたって
私の気が済まないのよ。
きれいに取らなけりゃあ
気持が悪いのよ!」
母は頑なにそう言って
舐めるような草取りを
続けていたのです。
その母が
取れなくなって
今わたしが
嫌々ながら取っているのです。
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