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母と長姉が
母の1世紀に渡る写真を見ています。
最近は便利な世の中
重いアルバムを開かずとも
「デジタルフォットフレーム」で
「デジタルフォットフレーム」
母は電源を入れるだけ
細かい操作は要りません
「これはAさん、それはBさん・・・」
母は電源を入れるだけ
細かい操作は要りません
「これはAさん、それはBさん・・・」
と、ふたりが1人1人
名前を挙げながら見て行きます。
「これは私の同級生
この人もそう、その人もそう。
だけどもう
誰も生きちゃあいないのよ」
と、母がそう言って
ちょっとため息をついたりしています。
でも
思い出話をしながら
母はとっても楽しそう。
思い出話なんて
何度もしていること
目新しいことなど
何にもありません。
だけど、母と長姉がふたりして
頭を寄せ合っていることが
大事なのだと思うのです。
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自慢じゃないけど
わたしの怒られ話
中学に入っても高校に入っても
止まることを知りません。
中学の職業科の授業
鶏を料理した時のこと
クラス中をそそのかし
肉は自分達だけで焼き鳥にして食べ
嫌いだった担当教師には
わざわざ肉抜き骨団子を作って届け
1時間廊下に立たされた話
父のオートバイを乗り出し
友人と二人乗り
運転を誤り
崖下へ飛び降りたものの
怪我も無く生還した話
わざわざ派出所の前を通って
村中を乗り回し
見かねた巡査にとうとう捕まり
母にもらい下げてもらった話
高校時代
泳げもしないのに
諏訪湖に飛び込んで溺れかけた話
近所の畑から盗んだ
たまねぎジャガイモ人参で
カレーを作って食った
コンパの話
「俺は見てないぞ」と言う担任も
一緒に食って飲んだコンパの話
勉強が嫌で嫌で生徒会長になり
他校訪問で時間を潰した話
安保反対勤評反対と
生徒総会で教頭を吊し上げた話
喫茶店で飲酒を見つかったものの
生徒会担当教師に見逃された話
キセルしてつかまった鉄道公安室
親の7光で見逃された話
思い出すのは
いたずらして怒られた事ばっかり。
褒められたことなんて
1度も無かったような感じです。
でも・・・
こんな事の1つ2つを思い出し
母と話すのは
なかなか楽しいもの
母の頬も
久し振りに緩んだのでした。 「おばあちゃまに
怒られ話をしてあげて」
と、次女に言われ
『話題にゃあ、困らない』
と、思ったわたしです。
怒られた話など、わたしの人生
数え上げれば限がありません。
幼児の頃
幼稚園へ通う道すがら
ちんちん電車の通る道の脇
お墓の横で、毎朝野糞をした話
小学生の頃
母の財布から10円玉をちょろまかし
買い食いをした店の婆ちゃんに
「もしかしたらお宅の坊ちゃん・・・」と
「もしかしたらお宅の坊ちゃん・・・」と
母に告げ口された話
習字紙を買うからと
毎日もらった金の半分で
森永ミルクキャラメルを買っていた話
盗み食いした卵の殻を
火鉢の下に隠したつもりが見つかった話
お客に行って出された
嫌いなレンコン
炬燵の灰に隠したつもりが
ばればれだった話
隣家のミチエが持ち出した
千円札2枚
ふたりで毎日豪遊しても
使い切れなかった話
挙句に1年
交際を禁じられた話
トマトやきゅうりかぼちゃを
もぎ捨てて
近所の小母ちゃんに
『新聞に載せるぞ』と、脅された話
線路に耳を当て
ちんちん電車の音を聞きながら
止まった電車に気が付かず
車掌に追っかけられた話
いたずら仲間とトンネル探検
煙に巻かれて死にそうになった話
妹達を虐めては
母に裏山中追っかけ回された話
嫁入り道具の鏡台を壊し
母に本気でぶたれた話
工事現場の火いたずらで
3女・芽衣子のスカートを燃やし
大火傷させそうになった話
その燃え残りのスカート
隠したつもりが見つかって
夜中にたたき起こされ
大目玉を食らった話
お仕置きに
閉じ込められた土蔵の暗闇
鎧戸の節穴から覗いた星達の話
土蔵の鉄格子をくぐり抜け
2階から飛び降り脱走した話
わたしの怒られ話など
思い起せばそれこそ
鎧戸の節穴から覗いた星の数ほど
あるのです。 「おばあちゃんのうつっ気対策
何かいい方法提案してくれ!」
と、メールすると
珍しい事に、驚いた事に
いつもは直ぐ返事をよこさない次女から
直ぐに返事がありました。
『パパの方が先に
うつになるんじゃあないか!』
と、心配したのかもしれません。
「おばあちゃまは歳が歳だから
薬はあんまり使いたくないの。
私は薬より
スキンシップの方がいいと思う。
手を握ってあげたり
肩を抱いてあげたり
何でもいいから
スキンシップをしてあげてよ。
それともうひとつ
思い出話もいい薬。
そうだ!
昔パパが怒られた
いたずらの数々話してあげてよ。
手を握ってあげながら・・・」
と、次女がそう答えて来ました。
『言われてみればその通り
それが常道』
とは思ったものの
わたしは根っからシャイな人間。
訳も無いのに突然
母の手を握るような真似は出来ません。
それで、しかたなく
母の足の爪を切ってやりながら
怒られ話をしたのです。 うつっ気の続く母とのやり取りに
くたびれ果てたわたしは
医者をしている次女に
メールを打ちました。
「おはよう!
最近、おばあちゃんが暗い。
おばあちゃんは
耳は聞こえず、目も見えず
新聞読んでも頭へ入らず
テレビを観てもさっぱり分らず
誰か訪ねて来ても
誰が誰だか分らない。
みんなが話してたって
笑ってたって
何が何だか分らない。
まあそんな訳で
気分は今、不幸のどん底
不安と孤立のど真ん中。
だからまあ
『ちょっとうつになっている』
んじゃないかと思う。
何かうまいうつっ気離脱法か
くすり無いかな?
おばあちゃんの暗い顔を
毎日見ているのは辛い。
ともかく
何かいい方法、提案してくれ!
至急、返事を頼む」
と、次女にそんなメールを送りました。