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「太郎、太郎!」
ベッドで母が呼んでいます。
わたしはたった今
母の部屋から居間に戻り
やっと
炬燵に座ったばかり。
だけど呼ばれた以上
行かない訳にもいかず
『またかよ!』
っと、うんざりしながら
母の部屋に行ったのです。
最近の母は寝ると直ぐ
大した用事も無いのに
わたし達見守り隊を
2度も3度も呼び付けます。
「今度は一体何なのよ!
下らん事で呼び付けないでよね!」
「ちょっとね
毛布と掛け布団の位置を
5センチ下げて欲しいのよ」
「だって、さっき首が
すうすうするって言うから
上げたばっかじゃない」
「でも、肩の所が何か重いのよ」
「重いったって
下げたらまた、首すうすうするよ。
首、すうすうするのと
肩んとこ重いのと、どっちがいいの!
どっちがいいか
よく考えてから言ってよね!」
「ねえ、掛け布団が
右側にちょっとずれていない?
もう1センチ
右側に寄せてくれない?
駄目、そんなに押えちゃあ駄目
重くて駄目!」
「大丈夫だったら!
押さえてもいないし
ずれてもいないったら!
もう行くよ、行くからね!」
「もう行くの?
まだ何か無いかな?」
「全くねえ。
下らん事で呼ぶの
止めてくんない?」
わたしはそう捨て台詞を残して
毎回居間に戻るのです。
母は夜中
独りでトイレに行き
布団も自分で掛けているのに
寝る時だけ
何だかんだ言って
わたし達を呼び付けるのです。
なんだかんだ言いながら
わたしの目を
じっと見つめている
母の目を見ると
不憫さで、わたしは
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