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「太郎!
私はね!
記念館を建てない内は
死んでも死に切れないのよ!」
やっぱりだった!
母は諦めていなかった。
忘れていなかった。
母のしぶとさと詰問に当惑した
わたしですが
自分でやるのはやっぱり面倒
それで反撃に出たのです。
「お母さん、何言ってるの!
ぼかあ何も建てるのに反対って
わけじゃあないんだよ。
だけど
記念館なんか建てなくたって
家中がもう
お母さんの物で溢れているじゃない。
部屋中に掛けられた表彰状も
飾り物も写真も・・・
ぜ~んぶお母さんの物じゃない。
この家その物がもう
お母さんの記念館。
お茶だって
この居間で飲んでもらえば
いいじゃない。
新しい建物なんて無駄なんだよ!
それにだよ
例え建ててもだよ。
建てりゃあ終わりってわけじゃ
ないんだよ。
それからが大変。
建物に合うように
飾る物を整理しなきゃあ
ならないんだよ!
そんなもの凄く大変なことを
一体誰がやるのさ!」
わたしも必死、そう強弁したのです。
だけど本音を言えば・・・
強弁しながらわたしは
母の目の奥の悲しさに気付き
途方にも暮れていたのです。
しかし
天の助けと言うか、妹の助けと言うか
それまで黙って聞いていた3女が
助けに入ってくれたのです。
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