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「これじゃあ
生きる病人も死んでしまうわ!」
巡回の婦長さんに
母が苦情を言いました。
最近の母は時々
歯に衣を着せぬ
物言いをするのです。
「看護士さんたち
どうして
あんなに言葉が荒いのよ!
まるで
怒鳴られているみたいで
不愉快
この上無しだったわ。
私はそんな言われ方を
した事がないのよ!」
母が婦長さんに
追い討ちをかけました。
すると
「そうなのよ!
この病院の看護士ったら
ほんとに荒っぽいのよ。
やたら怒鳴るし
動かすんだから!」
脳梗塞で入っている
隣のベッドのご婦人も
母に援護射撃をしたのです。
「そうですか。
それは申し訳なかったですね」
婦長さんが言いました。
「この病院の患者さんは
お年寄りが多いんですよ。
お年寄りは
耳が遠いですからね
聞こえるように
大きな声で話すんですよ。
だけど
それで不愉快になったんなら
申し訳なかったですね。
折を見て
看護士達に注意しておきます。
ほんとにごめんなさいね!」
婦長さんは流石に大人
そう言って
母に謝ってくれました。
わたしは
母が怒鳴られた場面には
いなかったのです。
わたしが会った
看護士さん達は
甲州弁
丸出しだったけれど
皆さん甲斐甲斐しく
世話をしていたのです。
その甲州弁だって
患者を安心させる為に
使っていたのだと思います。
だから何故
母がそんな事を言ったのか
分りません。
母に聞いても
いつの、誰の話なのか
はっきりしなかったのです。