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「お母さん!

最近、笑顔が少なくなったよ。

お母さんの笑顔は
日本一なんだからね。

いっつも
ニコニコしていなくっちゃ!」

わたしが
ズバッと切り込みました。

7.05.07haha.JPG

 いつも笑顔でいて欲しい





「だって

昔ほど
楽しくなくなったのよ。

あれも出来ない、これも出来ない

あれも他人頼み
これも他人頼み

それを考えると

ニコニコばかり
していられないのよ」

と、眉を寄せた母が
辛そうに答えました。

それを聞いていた
真正4女がいいました。

「お母さん!
“ 顔施 ”って言葉、知ってる?

これはね

何にも出来なくなってもまだ

“ 笑顔で人に尽せる ”
“顔で施せる”って意味なの。

だからお母さんは

何にも出来なくなっても
胸張って

笑顔でいて頂戴ね」
って。



わたしは浅学の輩。

今まで“ 顔施 ”という言葉を
知りませんでした。

だけど、わたしは

まさに、母の笑顔見たさに
母の笑顔に励まされて

母の世話をしているように
思われるのです。
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大笑いと言えば

孫の結婚式で東京に行き
数泊した真正4女の家での会話。

「不思議なことがあるもんよね。

私は兄ちゃんの声だけは
ちゃんと聞こえるのよ。

だけど

晴子ちゃんや瑠璃のは駄目
ちっとも聞こえないの。

でもね、変なのはね

どうしてか
健さんの声も良く聞こえるのよ」

と、母が言ったです。

そこですかさず健君が反応しました。
健君は真正4女・瑠璃の夫です。

「おばあちゃん!

ちっとも変じゃないですよ。
耳ってのは人を観るんですよ。

愛情深い人の声だけに
きっちり反応するんですよ」
って。

これで5人が大笑いです。



わたし達は
母の笑顔を見たくて

何かにつけ
頑張っているのです。

「私は馬鹿になった
急激に馬鹿になった!」

と、100歳を超えた母が
しばしば言います。

確かに

最近の母は
物忘れすることが多くなりました。

ちょっと前に聞いたことを
忘れて

おんなじことを何度でも
聞きます。

そんな母が言いました。

「私が馬鹿になって、みんな嫌でしょうね」
って。

そう言われて
わたしは言い返したのです。

「みんなはねえ
馬鹿が嫌じゃないんだよ。

私は馬鹿になった
私は馬鹿になったって

繰り返されるのが嫌なんだよ」
って。

それで妻と3人、大笑い。

その笑いに載せて、妻が言いました。

「お母様、ほんとの馬鹿はね。

自分のことを
馬鹿だなんて言いませんよ。

ほんとの馬鹿は、私みたいな人の事」

これでまた、三人で大笑い。

平成20年9月15日
敬老の日。

目出度くも嬉しくも

母は
とうとう100歳の仲間入り。

内閣総理大臣から
祝状と銀杯を

山梨県から
敬老祝い金を頂きました。

3087c77c.jpeg


 百寿祝いの銀杯





祝状には

「 あなたはよく百歳の長寿を達成され
誠に慶賀にたえません

老人の日に当たりここに記念品を贈り
これを祝します

平成二十年九月十五日
内閣総理大臣福田康夫 」

とありました。

幸せなことに母は

この祝状を

自分の手で
受け取る事が出来ました。

わたしはそのことを
何より嬉しく思っています。



山梨県では今年184人の方が
100歳を迎えられました。

このうち何人の方が

ご自身で受け取ることが
出来たのか

わたしは知りません。

だけど皆さんが
質の高いご長寿であって欲しいと

わたしは
心から願っているのです。 

母は
耳が遠いのですが

耳ざとい時もあります。

「誰の話なの?」

わたしと妻が噂話をしていると
必ず聞いてきます。

普通の会話は聞こえないのに

噂話の時だけ
やたら耳ざといのです。

だけど、それからが駄目。

噂話の内容を話しても
一向に通じないのです。

下らない話だと分って
安心するのか

急に
感度が落ちてしまうのです。

「誰か来ていたの?」

昼寝をしていた母が
あたふたと起きて来て聞きます。

「誰も来てないよ」と答えても

「だけど
女の人の声が聞こえたのよね」

と、不審そうに言うのです。

幻聴かどうかは分りませんが
母は

わたし達が
気のつかないような物音に

やけに敏感に反応するのです。



母は一人暮らし
100歳で一家を構えています。

だから

うっすら聞こえる音で
来客を知り

うっすら聞こえる
言葉の端で

相手の話を理解しようと
頑張っているのです。

多分
四六時中休むことなく

気を張って
生活しているのだと思います。

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