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耳なんて時々

とんでもない聞こえ方が
するもの。

そうなんです。

隣の奥さんの話は
他人事ではないのです。

同じようなやり取りが

母とわたしの間でも
しょっちゅうあるのです。

ンゴを食べようよ」

って、わたしが言うと

「もう梅漬けの季節かねえ。
今年はんご(豊後梅)にするの?」

って、母が聞き返すのです。

の運行時間が変わるんだってさ」

って、言うと

「えッ?(茄子)?
えッ?(粕)?
えッ?(鱒)?」

ってことになるのです。

たぶん母は
聞こえた音を

思い浮かぶ単語と結び付けて

必死に
話しているんだと思います。



歳を取ると
誰でも耳が遠くなります。

補聴器をつけたって
思うようには聞き取れません。

辛いことだけれど

これはみんなが行く道
他人事ではないのです。

だからここは
元気なわたし達が頑張って

耳元に口を寄せたり

眼を見てゆっくり話したり
ボディランゲッジを使ったり

相手の反応を見ながら
話すって事が大事なんですよね。

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先日

近所の奥さんと
茶飲み話をしました。

奥さんは80を
ちょっと超えたばかりの方です。

「最近
耳が遠くなっちゃって・・・

ご飯を食べている時

みんなが何を話しているのか
さっぱり分からないのよ。

こっちの目を見て話してくれれば
まだ分かるんだけどね」

と、奥さんが言いました。

そして

「昨日もこんな事があったのよ」
と、話してくれました。



お風呂から
居間に戻ってきた若奥さんが

「ビール飲んでくるわ」

と、そう言って立ち上がり
洗面所の方に行ったんだそうです。

「ビールはそっちじゃないでしょ!」

奥さんはちょっと不思議に思って
声をかけたんだそうです。

それを聞いた若奥さんは
もうびっくり

真面目な顔で戻って来て

奥さんの顔を
まじまじと覗き込んだんだそうです。

そして
不安そうに言ったんだそうです。

「お母さん、大丈夫?

クリーム付けて来るわって
言ったのに・・・」って。

耳なんてほんと

時々とんでもない聞こえ方が
するものなんですよね。

先日
母とドライブをしていました。

「あれ!」

横にいた母が突然
素っ頓狂な声を上げました。

「どうしたの?!」

と、驚いたわたしが聞きました。

「どうしたのって、兄ちゃん!
今、オプンしたんじゃないの!?」

と、母が決め付けるように
言いました。

「?」

母が何故
そんなことを言ったのか

わたしには訳が分りません。

そんなことを
突然言われたって

まったく身に覚えがないこと。

屁こき虫を
自認するわたしですが

この時ばかりは
断じてやっていません。

「ぼかあ、今だけはやってないよ!」

と、無実を主張したのです。

そして
直ぐに思い当たったのです。

「ババババッ」っと

もの凄い爆音を立てて
今すれ違ったバイクのことをです。

母にとっては

わたしの屁もバイクの爆音も
同じ音だったのです。

母との移動を
車でするようになって

わたしは
楽になっていたのです。

だけど、最近

その二人だけの長時間移動が
億劫になって来ました。

1fb3e3e0.jpeg
  3女が同行してくれた
  100歳記念思い出の地めぐり
   身延山久遠寺で




寄る年波なのかどうか

わたしの体力気力が
いまいちなのです。

車の運転をしたり
車椅子の載せ降ろしをしたり

母の話相手をしたり

体調を観たり飴玉をやったり
乗り降りを手伝ったり

トイレへ連れて行ったり
レストランへ連れて行ったり

こういうのを全部
ひとりでやるのはやっぱり大変。

それで

姉妹や妻に同行を
頼むようになったのです。



幸いみんな嫌な顔も見せず
同行してくれています。

だからわたしは感謝しつつも

「みんなの思い出作りを
してやってるんだ!」

と、恩に着せているのです。
車酔いする母の為に
ナイロン袋を用意しました。

だけど
いくら用意してみても

母が吐くことに
変わりありません。

「寝ていなかったんだから
自業自得!」

と、いくら断じてみても

母が苦しむことに
変わりありません。



わたしは

何度も母を吐かせた後
遅ればせながら反省したのです。

わたしだって人の子

苦しむ母を見るのは
やっぱり辛いのです。

そして、
きっぱり捨てたのです。

「早く目的地に着いて
自分を解放する!」

そんな、邪心を捨てたのです。

道中の風物を
母にじっくり見てもらう。

あちらこちらで車を止め
ゆっくり楽しんでもらう。

心にそういう余裕を持つ。

3時間半で着ける
富山への道を

5時間半かけて
走ることにしたのです。

27a097c3.jpeg

 山梨への道中
  立ち寄った白鳥のいる池
   ( 犀川白鳥湖 )




母とふたりで
ドライブすることなんて

もう、そう何度もないこと
大事にしなけりゃあ!

遅ればせながら

わたしはやっと
そこに思いが至ったのです。
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