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母は入歯をしています。
 
入歯は
 
上下合わせて3本残った歯で
支えているだけですが
 
物を噛むのに不都合はなく
 
固い飴玉もガリガリ
平気で噛み砕きます。
 
でも
何だか気になるようです。
 
 
 
「あれ
あれを頂戴よ。
 
あれ、何て言ったっけ
あれ」
 
母は食事の後決まって
爪楊枝を欲しがります。
 
「爪楊枝でしょ!お母さん。
 
お母さんねえ
お母さんは入歯だからね
 
歯と歯の間に
隙間は無いの。
 
だから
 
爪楊枝使ったって
意味ないんだよ」
 
と、わたしは
そのたび言うのですが
 
母はどうしても
気持ちが悪いらしく
 
隙間の無い入歯の
歯と歯の間をせせるのです。

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わたしも同じですが
人間歳を取ると

物の判断が
できなくなることがあります。

これもやっぱり今回の
母の入院1年ほど前の話です。



「映らないけどこれ何なの?
鏡じゃないの?」

と、天眼鏡をかざして
母が聞きました。

「そりゃあ虫眼鏡だよ。
手鏡じゃあないよ」

と、わたしは答えました。

「なあんだ
顔を見るもんじゃないんだ」

と、母。

天眼鏡

手相を見る時は
確かに顔も見るけれど

やっぱり化粧にゃ
使いません。

母は時々
さもない物が

認識できない事が出て来ました。

わたしも
いい歳になりましたが
 
母にとっては
まだほんの子供
 
むかしの幼い子供の
まんまなのです。
 
これもやっぱり今回の
母の入院1年ほど前の話です。
 
 
 
「あれを食べろ、これを食べろ
これを飲め、あれを飲め」
 
母と2人
炬燵にあたっていると
 
母がひっきりなしに勧めます。
 
だけどその度、わたしは
 
「いらないよ
いらないってば!
 
ぼかあ
糖尿になるのが嫌なんだよ!」
 
と、だんだん
言葉をエスカレートさせながら
 
断固断ります。
 
だけど母は、ちょっと経つと
懲りもせずまた
 
「あれを食べろ、これを食べろ」
を始めます。
 
だから、わたしも言うのです。
 
「お母さん!
いい加減にしてよ。
 
いいから
僕の事、ほっといてよ!」って。
 
すると母が逆恨み
可愛さ余って憎さ100倍。
 
「もう、太郎となんか
口もききたくない!」
 
と、怒り始めるのです。
 
「だって、お母さん
お父さんは糖尿だったんだよ。
 
僕が一体いくつだと思ってるの?
僕はもう68
 
お父さんは
僕の歳で死んだんだよ!
 
だからぼかあ
摂生してんだよ。
 
お母さんだって
 
僕が先に死んだら
困るでしょうが!」
 
「そりゃあ、死んだら困るわよ。
 
だけど、少しぐらい
食べたっていいでしょうが。
 
こんなに言っても食べないんなら
食べなくたっていいわよ。
 
私が食べて、糖尿になるから」
 
と、ふくれっ面の母がまた
飴玉を舐め始めました。
 
何をどんなに食べても
 
糖尿の気の「と」の字も出ない
母に似ず
 
わたしは
父の血を引いているのです。

わたしも同じですが

人間歳を取ると
寂しがり屋になります。

これもやっぱり今回の
母の入院1年ほど前の話です。



数日来
母は風邪気味

痰が絡んでゼーゼーゼーゼー
喉を鳴らしていました。

わたしは
それを聞いているのが嫌で

夕食が終わると直ぐ
母に寝るように勧めました。

すると母が言ったのです。

「兄ちゃんの顔を見ていたいのよ。
それが駄目だって言うの?」って。

そう聞かれて

『ちょっと可哀想かな?』
と思ったわたしですが

心を鬼にして
敢然と言い放ったのです。

「もちろん駄目!

見ていたきゃ
風邪治ってからにしてよね。

ぼかあ風邪移されるの
やだからね。

悔しきゃ
風邪なんか引かなきゃいいんだよ」

そう言われた母は

ちょっと
恨めしそうにわたしを見て

すごすごと
ベッドに向かったのです。

まあ、ほんとんとこ母も
子供返りしているんですよ。

ところで

茄子味噌が
辛かった理由ですが・・・

妻は母のためを思って

茄子味噌に
唐辛子は入れませんでした。

だけど

この茄子味噌には
辛いシシトウが入っていました。

それで、妻は
シシトウとピーマンの切り方を変え

母にはシシトウを
盛り付けないようにした

と言うのです。

だけど

気が利いているようですが
やっぱり妻は妻

それをすっかり忘れ
一緒に盛り付けてしまった

というのです。

母が母なら妻も妻

わたしは今、そんなお2人と
毎日お付き合いしているのです。

ほんとに楽しい毎日です。

ところで
辛いシシトウの件ですが…

不思議なことに
同じように作っていても

辛いものと
辛くないものとがあるんですよ。

もしかしたらわたしが
間違えて

唐辛子の苗を買って来たのかも
知れません。

それともう一つ

「お母さん!

そっちはお茶だよ、お茶。
水はこっちだよ!」

ってわたしが言ったのに
母がお茶を飲んじまった件。

あれは耳の遠い母には
聞こえていなかったんだと思います。

わたしも少し反省して

次の時にはもう少し
ましな手を打ちたいと思います。

そして

母が母なら妻も妻
そして、わたしも私ってことを

肝に銘じておきましょう。

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