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親類縁者、知人友人集まって
賑やかにやりたいのよ」
そう母に言われて
ちょっと想像してみました。
白寿を迎えるのは
長姉の翔子なら23年後
妻の晴子なら36年後
姪のミソノなら66年後
長姉の孫なら82年後
わたしの孫なら
96年後のことです。
果たしてみんなが
39人もの一族に囲まれて
幸せに
祝われているのかどうか。
わたしには
みんながみんな
母のような
幸せな白寿を迎えているとは
残念ながら
とても思えないのです。
それを考えると
この「祝う会」が
母にとってはもちろんのこと
わたし達一族の者にとって
どんなに貴重なものか
どんなに幸せなものか
よく分かるのです。
「孫、ひ孫に何か一言」
そう言われた母は
「一族一統
みんな仲良くしてもらいたい」
と答えました。
「一人でも
何かあったら辛いからね。
みんなで
助け合って欲しいのよ。
今は少子化の時代
兄弟が少ないでしょ。
従兄弟同士、又従兄弟同士
助け合わなけりゃあ
お葬式ひとつ
出せないのよ。
そりゃあ今は
結婚式でも葬式でも
業者が
全部仕切ってくれる時代。
そりゃあ
良く分っているのよ。
でもお葬式ぐらい
親類縁者、友人知人が集まって
賑やかにやりたいのよ」
母はそう言ったのです。
「健康・長寿の秘訣は?」
そう聞かれた母は
「特別なことは何もないの。
いいと思うことを
ただ続けてきただけ」
と答えました。
そして、話してくれたのが
健康・長寿のための5カ条。
第1条
3食しっかり食べる。
食べ物の
栄養効果を知って食べる。
保存に注意し
鮮度のいい物を
好き嫌いをいわず
よく噛んで食べる。
食べ物は
気軽に捨てたらもったいない。
人手がかかっているんだから
大事にしないと罰が当たるわ。
第2条
全身の体操をする。
毎日かかさずラジオ体操と
自己流だけど
手足末端の体操をする。
トイレで座っている時にも
気楽に
手、足、首の回転や屈伸をする。
体操は
ピアノの練習と同じでね
一日休むと天罰てき面
昨日届いていた所に
もう届かなくなる。
だから、体操は休めないの。
第3条
睡眠を十分とる。
そのためには早寝早起きする。
これはなかなか実行できなくて
困っているの。
今夜こそはと思いながら
いつも
おろそかになっているのが実情。
この歳では
大した仕事もないし
夜の来客もないから
早寝ができる環境だけどね
どうしても
思うようにならない。
昼間終わらなかったことの続きや
教え子たちとの電話で
毎晩10時過ぎの就寝に
なってしまうのよ。
第4条
毎日歩く。
少しでもいいから毎日歩く。
小学4年から高等2年まで
毎日、10キロ以上
歩いて通学してたのよ。
その行き帰りには木登りして
イチジク、渋柿、梅、桑グミ・・・
何でも取って食べたのよ。
『乙女ちゃんは
男・女(おとこおんな)だ』
って、大人にからかわれたくらいの
やんちゃ娘だった。
今はただ
歩くだけでも大変だけどね
ちょっと前までは
強靭な脚が自慢だったの。
だから、若い時から
歩いておくことが大事よ。
第5条
日記を書く。
短くてもいいから毎日つける。
つまらないことでも何でも書きとめて
その一日を振り返る。
何年か前の出来事も読み返し
感謝の気持ちで一日を終わる。
反省や感謝の気持を持つこと
それが一番大事なことなの。
母が実践したこの5カ条。
これを守れば
誰でも健やかに
「白寿」を迎えられます。
と言っては言い過ぎでしょうが
守って悪いこともないでしょう。
ともかく母は
白内障の手術を除けば
入院したことがないのです。
そう聞かれた母は
「今までと同じよ」
と、答えました。
台さえ使えば
未だ手が届きます
「食事なんかは当たり前だけれど
朝の体操だって以前通り。
下手でも何でも
ピアノもかじっているし
新聞の切り抜きだって
やっている。
新聞だって・・・
新聞なんか
読んでも覚えていないし
分からないことだらけで
面白くもない。
いっそ取るのを止めようか
とも思うのだけれど
そうもいかないの。
何十年も続けてくるとね。
どれだって
止めるに止められない
ものなのよ」
そうなんです。
母は始めたら最後
何十年でも
辛抱強く続ける人なのです。
だから、趣味なんか
深さはともかく
その幅広さは天下一品。
旅行にカメラに8mm映画
ビーズに刺繍に人形作り
押し絵に押し花
民舞に民謡
詩舞に詩吟にマンドリン・・・。
母は何でも
延々と続けてきたのです。
だけど、この数年。
歩くのが大変になり
カメラが重くなり
手先が利かなくなり
立っているのが大変になり・・・。
そして
今残っているのが
94歳で始めたピアノです。
そう聞かれた母は
「何にもない」と、答えました。
「改めて困っていることは
何にもないの。
人は来てくれるし
食事もおいしい。
毎日が楽しいのよ。
生理的にどうにもならないこと
例えば
目や耳が悪くなったこととか
脚や膝が痛いこととかは
もちろんあるわよ。
でも
そんなことは
もうどうしようもないのだから
頓着しないの。
もちろん
目が見えないのは不便だし
痛いのは嫌。
だけど
そういうことは無視しているの」
そうなんです。
母は天性の楽天家。
どうにもならない事は
達観できる人なのです。