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数年前から
母は手を後頭部に回せなくなりました。
 
それでも毎朝化粧をし
髪を自分で結います。
 
化粧する母は
髪を後頭部にひっつめて結び
 
その上にまげを付け、髪飾りを付けます。
 
この作業を
回らなくなった手でするのは本当に大変。
 
自由にならない手を椅子の袖で支え
 
身体をよじって髪を梳き
結び、びん止めするのです。
 
だから・・・
まげが斜めに付いていることもあるし
 
梳いた髪も結ってる間に
乱れてしまう事もあるのです。
 
でも、母は健気です。
人の助けを借りようとはしません。
 
苦痛に顔をしかめながら
身体をよじり
 
毎日20分以上もかけて
自力で結い続けているのです。
 
「いっそ断髪にしたら楽なのに・・・」
 
見かねたわたしは
残酷なことをさらっといいます。
 
「そう言われても、まげだけはね・・・」
 
母はわたしを
キッと睨んでいい返します。
 
母は師範学校時代に始めたひっつめ髪を
 
80数年間
ずうっと結い続けているのです。
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母の日記といえば、そう。
 
居間やら寝室やら、いたる所に飾られた
母がもらった賞状や写真の類。
 
家中にある母の物を
どうすればいいのだろう。
 
いつか来る母との別れの後
わたしは一体どうするつもりなのだろう。
 
わたしは
 
伯父の形見の着物も
父の懐中時計も万年筆も
 
ぜ~んぶ処分してしまった男です。
 
誰かの魂の宿った物など
わたしには持ち続ける勇気が無いのです。

友人夫婦が郊外の家を引き払い
 
駅近くのマンションに
移り住むことになりました。
 
年を取れば病院通いも増えるだろうし
車の運転もできなくなる。
 
それならいっそ便のいい
駅近くに住もうということになったのです。
 
当然、家は手狭になります。
 
それで問題になったのが
作りためて来た趣味の作品群。
 
趣味とはいえ魂のこもった物だけに
捨てるに捨てられず
 
友人夫婦は悩み続けているのです。「



「私が死んだら捨てちまうんでしょうね」

 と、時々母がいいます。

2c86e5df.jpeg  90年に及ぶ母の日記の一部です

子供の時から90年も書き続けてきた
日記のことです。
 
「そんなことないんじゃない。
芽衣子か誰か、もらってくんじゃないかな」
 
わたしはさらっと
姉妹のだれかれの名前を挙げます。
 
母の日記なんて
わたしは怖くて読みたくもないし
 
持ってもいられない。
 
だけど・・・
 
姉妹の誰かには
捨てないで持っていて欲しいのです。
友人・Nは毎朝

わたしの心の山・八ケ岳の写真を
メールしてくれます。

今朝も

一文を付けて
送ってくれました。



Nのメールです

今朝の八ケ岳は雲の中。

眼鏡でなんとか見える
八ヶ岳だ。

e4020929.jpeg
Nが送ってくれた八ケ岳
雲の下が八ケ岳
中央の向こうが諏訪盆地






今日はウォーキングを止め

下の爺さんちの縁側に座り込んで
長話をした。

縁側はいいなあ
心が落ち着く。

小さい頃・・・

正月の餅を丸めている
おばあちゃんに

縁側の端から
せがんだのを思い出した。



わたしもメールを返しました。

ほんと、そうだよな。

縁側は
家ん中と外つなぐ所だからさ。

昔はそこで
何でもしたんだよな。

切干大根干したり
布団干したり

枯露柿編んだり・・・。

そうそう、俺も思い出した。

寒い冬でも
毎朝、縁側拭かされててさ

手の甲に
ひびが出来ちゃったことをさ。

だけど、縁側って

不思議にあったかかったよ
冬でもさ。

猫と一緒に
日向ぼっこなんかしてさ。



Nとの
こんなたわいもないやりとり

わたしは幸せです。

子供の頃の思い出を
共感しながら生きる友人がいて。

母にはもう
そんな友人がいないのです。
母は

今年の秋で満101歳に
わたしは68歳になります。

母の年まで
元気で生き抜くには

余程精進しなければと思う
この頃です。

同い年の友人・Nは
意気軒昂

岡山の実家の山から
茅が岳の中腹まで

直径50cmもある丸太を
何十本も運び込み

三内丸山遺跡みたいな
でっかい別荘を

自力で建てています。

2c5c6bf9.jpeg
 独りで別荘造りに挑む
 友人・Nの勇姿






59b6e3c8.jpeg
 屋根裏を歩く長身のN






だけどこの5月

カンナ盤で小指の先を
骨まで削ってしまいました。

慣れて、注意散漫になっていた
と、本人は言っています。

そんなNとわたしの
ある朝のやりとりです。



Nへのメールです。

湿っぽい朝です。

今は降っていないが
夜中には大分降った。

富山もいよいよ
梅雨に入ったみたいだ。

梅雨時は足場が滑るから
大工仕事十分気をつけてくれ。

俺は数日前から腰痛。

5月にかかった
ヘルペスの後は風邪

風邪の引き直しの風邪
その風邪の後の腰痛。

病が次々出てきて

歳なのかなぁと
ついつい思ってしまう。

そういうことを思ったら
歳に負けてしまうぞ!

と、思い返している朝です。



Nからの返事です。

やっぱり
身体は老いて来ています。

梁や大引の上を歩いている時
危ないなって感じがします。

バランスを崩した時
落ちないで済むかどうか

心配になって来ています。

こんな気持ちは

大工作業を始めた
5年ほど前には無かったこと。

だからウオーキングの途中の
ラジオ体操や

温泉の湯舟の中の
股開きで

使わない筋肉や筋を
伸ばしています。

筋肉や筋を伸ばす運動は
老いを遅らせる

と、NHKが言っていました。

後、10年は
大工で過ごしたいものです。
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