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『母にはもう
電話のベルが聞こえない』

それが分って
わたしは途方に暮れました。

電話が使えないとなれば
わたしにはもう

1日に3度も4度もしてきた
母との馬鹿話が出来ません。

それより何より

母の安否を随時知る
確実な方法がありません。

離れてはいても

馬鹿話が出来たからこその
母との別居

安否確認出来たからこその
母の独り住まいだったのです。

それが出来ないとなれば

独り住まいさせておくわけには
行きません。

富山に来てもらうしかありません。

わたし達夫婦は
それぞれ仕事を持っています。

それを考えれば
来てもらうしかないのです。

例え嫌がっても
連れて来るしかない。

独り暮らしの気ままな生活に慣れ
謳歌してきた母に

借りて来た猫のような生活を
強いるしかないのです。



「朝8時と12時と夜8時の3回
太郎に電話すること」

とりあえずわたしは

ヘルパーさんに頼んで
そう張り紙をしてもらいました。

居間で座っている母の目の前の
茶箪笥にです。

だけど
これが頼りにならなかった。

いくら張り紙をしておいても
母は電話をくれませんでした。

仕方なく

母が必ず座る食卓の上にも
張り紙してもらいました。

だけど
それでも母はくれかったのです。

母の歳になると
視野が狭くなるのかどうなのか

目の前にあって見えてる筈のものが
見えないのです。

そうなるともうお手上げ

1日1回来る
ヘルパーさんを狙って電話をかけ

安否確認するしか
手がなくなりました。

わたしは妹達にも

ヘルパーさんのいる時間を狙って
電話するよう指示したのです。

そうやって3日経ち

わたし達のフラストレーションは
いやが上にも高まりました。

「大丈夫だから、元気だから・・・」

母がいくらそう言っても

好きな時に
母と話せない物足りなさと

安否確認できない
不安とは

わたし達にとって
本当に辛いものだったのです。

そして、5日目

こんな状況に耐えかねた真正4女が
急遽帰郷したのです。

真正4女は文系だけれど
機械音痴の誇りをかなぐり捨て

電話機を散々いじくり回し
苦心惨憺

ボリュームを上げることに
やっと成功

母が何とか自分で
電話を取れるようにしたのです。

まあこうやって

今回の一件は
ひとまず落着したのです。

だけど

母の耳が益々悪くなるのは必定
わたしはその日の為に

今から手を打っておかねば
ならないのです。

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