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独り住まいの母を
毎日
誰かしら訪ねて来てくれます。
それでも、たまには
誰も来ない日があります。
そんな日には
「今日は誰も来なかったよ。
電話も無かったし
かけて来たのは
やっぱり兄ちゃんだけ」
日に数度、わたしがかける
ご機嫌伺いの電話口で
母が報告します。
「富山に行くと
私を訪ねてくる人がいないからね」
同居を勧める
わたしの申し出を断って
母が一人暮らしを続ける理由は
このことに尽きます。
若い時から
大勢の人たちと交流して来た母は
人に会うことを
何よりの楽しみにしています。
それなのに
富山では知る人もなく
話し相手はわたしと妻だけ
誰も母を訪ねて来ません。
母には
それが何より耐え難いのです。
だけど、可哀想に・・・
住み慣れた土地にいてさえも
白寿を過ぎた母を訪ねたり
電話をかけたりしてくれる人は
やっぱり目に見えて
減って来ているのです。
それでも
夕方になると
門灯を点け
玄関の明かりを点ける母。
「やっぱり、誰か来ると悪いからね」
夜になど
誰も来ないことが
分っている筈なのに
母はそう言って灯りをともし
誰か来るのを待っているのです。
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